「暇と退屈の倫理学」を読んで

読書

7月に入ってから真夏のように蒸し暑い毎日が続いていますが、皆さまお元気でしょうか。

さて、前回の投稿の終わりに「料理や食事そのものを楽しむことを大切にしたい」と書きましたが、そう考えたのは國分功一郎さんの「暇と退屈の倫理学」という本に大きく影響を受けたからです。

近所にあるお気に入りの本屋さんで偶然目に留まり購入した本でしたが、とにかく面白くて夢中で読み進めました。

偉大な哲学者たちの論考を読み解きながら、混同されがちな「暇」と「退屈」を定義し、人間はいつから「退屈」しているのか、「退屈」とどう向き合うべきなのか、などを考察します。

初見でぱらぱらとページをめくったときには「難しそう…哲学について何も知らないけど、読み切れるかな」と若干不安でしたが、そんな心配は必要ありませんでした。

本文を理解するために必要な哲学の知識は初心者にもわかりやすいよう解説されていましたし、誰でも「あぁ、これわかる」と身近に感じる具体例が盛り込まれていて、まるで國分先生の講義を受講しているような感覚で、あっという間に読み終えていました。

結論のひとつを非常にざっくりとまとめると、人間は退屈から逃れることができないが、物事の楽しみ方を学んで楽しめるようになることがその対処法となる、ということが書かれていました。

この結論は、私が漠然と抱いていた日常生活の悩みにヒントを与えてくれました。

結婚して数年、仕事や家事に追われる毎日で、自分が心から「楽しい」と感じることに時間を割けていないのではないか、という悩みです。

働き方を変えたり、家事の効率化でどうにか楽しいことをする時間を捻出しようとしましたが、それも上手くいかず、もはや「私って何をしている時が楽しかったっけ」状態。

人生は短いのに、やるべきことに追われる毎日でよいのか…
でも、やるべきことをやらないとそれこそ人生が終わってしまう…

「物事の楽しみ方を学んで楽しめるようになる」という考え方は、そんな極端な思考に全く別の道を示してくれました。

例えば家事。
何も考えずルーティーンでこなせる家事の楽しみ方を学ぶって、最初は面倒に感じるだろうなと思います。

でも、家にある物を活用してキッチンの整理整頓をしたり、掃除の仕方を学んで部屋中をピカピカにして家族をあっと驚かせたり…

少し想像するだけでも、家事には楽しめるポイントが意外とたくさん隠れていそうな予感です。

もし誰かに気づかれなくても、自分でその成果を見て小さな達成感を感じられたら、それで十分だと思いますし。

それに「家事はやるべきことだから楽しめない」と決め付けるよりも「やるべき家事の楽しみ方を探る」方が、ハッピーに毎日を過ごせる気がしませんか…?

前回の「『ひとりごとエプロン』のまねごと」も、家事の楽しみ方の1つと言えるかもしれません。
そんな風に、難しく考えず身近なところから、楽しむ訓練をしていきたいなと思いました。

そしてこの本には、もう一つの個人的な悩みの原因を分析するヒントを与えてもらいました。
長くなりそうですので、その話についてはまた別の投稿で。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

それでは、また。

読書
スポンサーリンク
シェアする
kogamoをフォローする
スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました